フリースクール コルネット、仙台で教育に燃えています。


佐藤優氏や新井紀子氏のように、読解力の低さに警鐘を鳴らす識者は、数多くいます。しかし、中学生や高校生、ひいては世間一般の方々には、読解力を鍛えようという姿勢はあまりみられません。これは別に、今にはじまったことではないと思います。私の子ども時代からすでに、そうだったように思います。私自身、高校時代の恩師に出会わなければ、読解力を鍛えようとは思わなかったはずです。


その意味では、国語の教師は、頑張るべきだと思います。読解力の大切さを日々訴え、読解力が鍛えられるような国語の授業を模索すべきです。しかし、国語の教員だった私の気持ちを率直に言えば、「刀は折れ、矢は尽き」という感じです。ずっと、読解力の大切さを訴え、読解力を鍛えるべく授業で頑張ってきたつもりですが、生徒さんや保護者の方々には、その思いは届かなかったという気がします。


そのような読解力軽視の世の中ですが、「希望」はあります。「小論文」です。


私がかつていたある高校です。そこの生徒さんは、大学に行きたいとは思っているものの、概して一般入試が大嫌いでした。多くの生徒さんが、推薦入試やAO入試で大学に入りたいと考えていました。厳密にはわからないのですが、私の実感としては、世間でも、一般入試より推薦入試やAO入試を好む受験生が、増えているように思います。そもそも、推薦入試やAO入試の定員自体も、以前より増えているはずです。


その推薦入試やAO入試では、一般入試に比べて、「小論文」が課される傾向にあります。推薦入試やAO入試での受験を考えている生徒さんは、小論文対策をしますので、そのプロセスで読解力や表現力がついてくるのではないかと、期待したいのです。


わが街仙台の有名な大学である、東北学院大学の小論文を例にします。同大学の工学部以外の推薦入試やAO入試で課される小論文は、いまのところほぼパターンが決まっています。まず、手頃な長さの課題文が提示されます。そして、設問1で課題文の要約(100字以内)、設問2で課題文の見解に対する意見を書く(700字以内)、というものです。


私もこの小論文をいくつも解きましたが、ほんとうに「よくできた問題だ」と感心します。まず、設問1の要約で、受験生が課題文を正しく読めているかどうかがわかります。当たり前ですが、正しく読めないと、正しい要約はできません。そして、設問2で表現力がわかります。しかも、勝手な表現力ではなく、課題文の内容や出題者の意図に、しっかり正対したうえで表現できているかどうかがわかります。簡単に言えば、自分の好き勝手に言いたいことを述べる能力ではなく、相手の言っていることを正しく受け止めたうえで、それにのっとった表現力を展開できるかがわかるのです。


つい、むずかしい言い回しをしてしまって申し訳ございませんが、要するに、東北学院大学(工学部以外ですが)の小論文が解ければ、「読解力、国語力がある」と判断できるのです。


せっかく世の中で推薦入試やAO入試が流行しているのですから、ぜひ、東北学院大学のような良質の小論文を課してほしいと思います。そうすれば、大学に行きたい方たちは、小論文の勉強をしつづけることによって、読解力をつけていくことでしょう。


国語の教員として「読解力」について啓蒙することのできなかった、力の弱い一人の教育者の、せめてもの願いです。

「フリースクール コルネット」では、3月、「春の得UPキャンペーン」を実施します。
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