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K君への漢文の指導が、スタートしました。

教材は決めていました。高校2年の教科書に載っている、史記の「鴻門之会」という教材で、項羽と劉邦のエピソードの一つです。源氏物語の「若紫」同様、高2の教科書の定番で、ある程度の長さがあり、重要な句法も多く出てきます。何より、ストーリーがおもしろいのです。

指導を開始してから、K君は漢文もよく勉強していることがわかりました。重要な句法をよく知っています。「これほどの知識があるんだ。それならK君、そんなに心配しなくてもいいのに」と思いました。

さて、そんな状況ですが、私は指導の重点を「音読」に置きました。理由は二つです。一つは、単純に、K君の音読の伸びしろがもう少しあるから。そして、二つ目こそが重要なのですが、音読することによって「漢文体質」が作られるからです。ちなみに、「漢文体質」とは私の造語です(笑)。音読を何回もすることにより、漢文の語調になれるので、漢文が理解しやすくなり、句法や語彙も頭に定着しやすくなります。

そして、ここからが重要ポイントです。音読の練習用に、私はあるものを準備しました。それは、

送り仮名がついていず、返り点だけがついた本文

です。

これで音読練習をすると、送り仮名の部分は暗記しなくてはならないため、送り仮名の付け方を体で覚えることができます。この「体で覚える」というところが、大事です。漢文も語学の一種みたいなものなので、理屈ばかりやってもだめです。「習うより慣れろ」なのです。ふつうに教科書を音読するだけでなく、返り点のみの文を音読することにより、漢文の読解力は飛躍します。

ここまで説明すれば、ピンとくる方もいると思います。もちろん、もう一つの秘密兵器も用意してあります。

白文(漢字だけで、返り点も送り仮名もついていない文)

です。白文で音読練習をすると、今度はどこからどこへ返るのかも暗記しなくてはならなくなります。その結果、どういうときに返り点が付くのかが、よく理解できるようになるのです。

漢文の攻略というと、句法を暗記して入試問題を解くことばかりが浮かぶかもしれません。しかし、「基礎練習」として、あるいは「漢文用の基礎体力の強化」として、返り点のみの漢文や白文で音読の「練習」をすることは、ものすごく効きます。私自身が自分の体で試したことです。

私は高校の国語の教員だったとき、極めて「音読」を重視する教員でした。私ほど生徒さんに授業の中で「音読」をさせた教員は、少なくとも私の同僚の中では一人もいませんでした。ですから、ここに書いたやり方を「徹底して」生徒さんにやらせている指導者は、あまりいないのではないかと推測します。ほんとうはたいしたことのないやり方なのですが、それを「徹底して」やっているかどうかで「差」が生まれるのです。

「音読が大事」というのは、秘伝でも何でもありません。しかし、「徹底して」やっている人が少ないので、「秘伝」のようにエラそうに書けるのです(笑)

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