フリースクール コルネット、仙台でフリースクールと学習塾をやっています。
苦手な数学をかなり克服したUさんですが、ここにきて思わぬ壁にぶつかりました。
「三角形の合同」の授業に入ったのですが、Uさん、かなり苦戦して、「わかんない」を連発してしまいました。
私も正直言って、どのように指導していいのかわからなくなりました。
「三角形の合同」については、あきらめざるをえないか、とも思いました。
しかし、これまでの4か月以上にわたる指導で、私も気づいていました。Uさんが「わかんない」を連発しているときは、ほんとうは「わかりたい」のだということを。
何か突破口はないか考えました。
すると、一つのことに気づきました。
「2辺が5cm、6cm、あいだの角が60°の三角形」など、具体的な数字が入っていると、Uさんは「三角形の合同」を理解できるのです。しかし、数字がなくなって、AB=DEみたいな形になるとわからなくなるのです。
それなら、Uさんの壁は、具体的な数字がなくなるところにあるのではないか。
この仮説に基づき、次のように指導してみました。
まず、ホワイトボードに5cm、6cm、7cmの3辺の数値が入った2つの三角形(△ABCと△DEF)を書いて、合同を確認しました。そして、7cmを消してしまい、同じ長さの辺を示す記号(○)をいれたうえで、
「いまこの辺(BC、DE)の長さは、何cmかわからなくなってしまいました。でも、この辺(BC)とこの辺(DE)が同じ長さだということだけはわかっています。さあ、この三角形(△ABCと△DEF)は合同でしょうか、合同ではないでしょうか」
Uさんはちょっと考えて「合同」と答えました。
さあ、突破口が開けました。
この後は、
「何cmかはわからないけれど、この辺とこの辺は同じ長さだとわかっています」
「何度かはわからないけれど、この角とこの角は同じ大きさだとわかっています」
のオンパレードです。
Uさんは次々と合同を理解していきました。
Uさんが「わかんない」を連発したのが、「三角形の合同」の1時間目。私が壁に気づいたのが、その時間の終わり頃。そして壁をどんどん突破したのが、2時間目。
三角形の合同に著しい苦手意識を持つUさんですが、見事にまたワンランクアップしてくれました。
指導者冥利につきるところです。
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