仙台でがんばる「フリースクール コルネット」です。

河北新報(2019年12月4日)によれば、2018年に実施したPISA(OECDの学習到達度調査)の結果、日本の高校1年生の読解力は15位で、8位だった15年の調査より低下したそうです。

これに関する記事をざっと見たところ、新聞各社で見解が異なるようです。

私も問題を見ていないので厳密には何とも言えないのですが、少し気になることがあります。

今も話題となっている、「大学入学共通テスト」での記述式問題との関連です(???)

私は「大学入学共通テスト」に記述式問題を入れることに賛成です。

採点の公平性を担保する意味で微妙に問題が残るということを百も承知で、それでも賛成です。

PISAにおける読解力の低下=学力の問題
大学入学共通テストの記述式問題=採点の公平性の担保の問題

こう考えると確かに何の関係もありません。

しかし、記述式問題を採点の公平性の観点から「しか」みないと、重大なことを見落とします。

そもそも、大学入試問題とはいうものは、高校の教育内容に最も影響を及ぼしやすいのです。

進学校と呼ばれる高校であれば、大学入試問題の傾向に授業内容が左右されます。

大学入学共通テストに記述式問題が採用されれば、高校や予備校はその対策を講じざるをえません。

読解力、あるいは思考力を伸ばすという点においては、選択肢問題より記述式問題の方が優れています。

高校や予備校が記述式問題の対策に力を入れれば、高校生や受験生の読解力、思考力が全般的に向上する可能性があるのです。

要するに、大学入学共通テストに記述式問題が導入されると、高校生の読解力、思考力の向上につながる可能性があるのです。おそらく、記述式導入の元々の発想もそこにあるのでしょう。

もし、本当にPISAが示す通り、高校生の読解力が低下しているのなら、何か手を打つべきだと思います。

採点の公平性「だけ」をみて、大学入試問題が「日本の教育」に及ぼす影響を考えないようでは、真に「日本の教育」について考えているとは言えないでしょう。

もちろん、私は採点が不公平であっていいと言っているわけではありません。

しかし、「日本の教育」をどうしていくのか、という視点が欠けるようでは、困るのです。

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