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不登校に関する相談を、あるお母さんから受けたときのお話です。
そのお母さんはぼそっと、「(不登校になったのは)親の愛情が足りないから」と言いました。僕は相談を受けていて、お子さんに対する愛情をひしひしと感じていたので、「そんなことはありません!」と即座に打ち消しました。
親の愛情が足りないから不登校になるということも、世の中にはまれにあるのかもしれません。しかし、多くの場合、そういうことはありません。ただ、親子の間、あるいはお子さんと先生との間などで、気持ちの行き違いやすれ違いが起きているケースは、ままあります。でも、それは愛情不足ではありません。
では、何が足りないのか。親や先生の技術か?
白状します。若いころの私はそう思っていました。だから、「親や先生は相手の気持ちを受け止める技術をどこまでもどこまでも追い求めるべきなんだ」と思っていました。しかし、現在の私は、この若いころの私の考えは「間違っていた」と思います。
気持ちの行き違いやすれ違いは、なぜ起こるのか。
それは、人間だから。神じゃないから。
そもそも、普通に自分や人を観察してみると、100%お互いわかりあえているなどという状態は、そんなにないと思います。私など、友人や仲間と話していて、中身が食い違って笑われてしまうこともあります(笑)。
おそらく、人間というのは、行き違いやすれ違いがあるのが、普通なのだと思います。
行き違いやすれ違いがないという完璧な状態は、決して普通ではないのです。
若いころの私は、考え方の前提が間違っておりました。
行き違いやすれ違いがあるという「普通」の状態から、お互いにどうやって相手の気持ちを理解しようと努めるか、この部分が大事なのだと思います。
そして、行き違いやすれ違いがあるというのが「普通」であるから、当事者ではない第三者が入ると、話が見えやすくなる場合があるのではないかとも思います。
もちろん、相手の気持ちを理解しようとすること、また、そのための勉強をすることは、大切です。しかし、その前提となるのは、理解できるのが当たり前だということではなく、理解できないことが本質的に「普通」である人間たちの集まりだから、神ではない人間たちの集まりだから、ということだと思います。
明日、1月14日(火)も不登校に関する無料相談会を実施します。予約が必要ですので、本日13日の17時までにご連絡ください。
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