フリースクール コルネット、仙台で教育に燃えています。
「助長」という言葉を手元の漢和辞典で調べてみると、「成長を助ける」「悪い傾向を増強する」と書いてあります。日本の場合、わりと後者の悪い意味で使う方が多いですよね。
ところで、「助長」というのは故事成語でして、出典は「孟子」です。最近、私はグダグダしていることが多いので、「グダグダなときは、漢文だ!」という意味不明の信念に基づき(笑)、古典の教科書を引っ張り出したところ、「助長」の文章が出てきました。以下は、その大意です。
宋の国の人で、自分の田んぼの苗があまり生長しないのを心配して、苗を引っ張った者がいた。その人は、ぐったりした様子で帰ってきて、家族に言った。「今日は疲れたよ。私は苗を助けて生長させてきたんだ。」これを聞いた子どもがビックリして、走って田んぼに行ってみたら、なんと苗は枯れていたそうな。
この話の「苗を助けて生長させて」の部分が、原文では「助苗長」となっており、ここから「助長」という故事成語ができたわけです。
でも、読み返してみて、いま初めて、あることに気づきました。
この本文だと、「成長を助け」てもいないし、「悪い傾向を増強」してもいない(笑)
本文の主人公は、苗を助けると称してびろーんと伸ばした結果、死なせているわけです。「成長を助け」ていないのはもちろんのこと、「悪い傾向を増強」することもなく、枯らしているんです(笑)
いままで何度か授業したことのある文章なのに、今回初めて気づきました(^_^;)
「成長を助ける」という肯定的な意味でとるのも違和感があるし、「悪い傾向を増強する」の意味でとろうとしても、悪い傾向を増強しないで死なせているし……。やっぱり、「死なせている」ということを「悪い傾向を増強する」ととるしかないのか? でも、たとえば、「不安を助長する」と言った場合、「不安を死滅させている」わけではないし……。結構、正体不明の故事成語ですね。楽しくなってきました(笑)
しかし、「助長」の意味はさておき、この文章の内容自体は、われわれ教育者にとって大切な内容です。無理に生徒さんを伸ばそうとすると、かえってダメにしてしまうことがありますよね。よく見極めなければならないところです。
せっかくふざけたことを書いていたのに、まじめにシメてしまいました(^^)
#フリースクール #不登校 #引きこもり #支援 #学習塾 #受験 #個別指導 #小論文 #子育て #現代文 #国語 #企業研修 #仙台 #宮城