フリースクール コルネット、仙台でがんばっております。

たびたび書いておりますが、私は特撮ヒーローもののファンでして、ウルトラマンや仮面ライダー、戦隊ものなどは、かなり見ております。いまでこそ、そういう人に対して、多少は寛容な世の中になりましたが、私が子どものころは、完全に変人扱いでした。「自分が一番好きなものは、だれも理解してくれないんだ」と子ども心に孤独を抱えておりました。


「鉄道や昆虫採集、歴史や数学といったある特定の分野の、さらに狭い領域に並外れた興味と知識をもつ。」これは、岡田尊司『アスペルガー症候群』(幻冬舎新書)からの引用です。自閉症スペクトラムの方は、特定の物にものすごく興味を示すことがあるようです。また、同書を読んでいるかぎりでは、興味を示す物と示さない物が、結構はっきりしているようにも見受けられます。私もその傾向があって、スポーツ観戦などほとんど興味がありません。たまに、機会があって見てみると、その時はおもしろいと思ったりもしますが、また見たいとは思いません。もちろん、スポーツ観戦が好きな人を、否定しているわけではありません。逆に、普通の人が興味を示すものにまったく興味が持てない自分に、昔は劣等感を感じていました。


フリースクールに来るような生徒さん、不登校になる生徒さんにも、そういう人は結構います。ご家族の方や世の中の皆さんにお願いしたいのは、そういうふうに感性や興味の変わった人たちを、非難しないでほしいということです。もちろん、物を盗むとか人に危害を加えるなど、犯罪行為に興味がある場合は、話が変わってきます。しかし、人に迷惑をかけたり、動物にやたらと危害を加えたりする趣味でない場合は、そっとしておいてほしいと思います。強く否定されるとこじれる場合もあります。


それとは逆に、私と同じように興味が偏っている方々に、老婆心ながら申し上げておきます。


日本は、基本的に、同質であることを好む社会です。私やあなたの興味は、普通の人には理解されないかもしれません。残念ながら、「わからない人にはわからない」のです。人と人とがどの程度わかりあえるかというのは、普遍的なテーマの一つであると思いますが、私と同じように興味が偏っている人のことは、多くの人がわかりません。「わからない人にはわからない」という「あきらめ」から出発した方が、人生がラクになると思います。



話はそれますが、いつだか、私は「大学入学共通テスト」に記述式問題が入ることに賛成だと言いました。賛成派と反対派の意見の対立を荒っぽく整理すれば、「日本の教育の未来を考える」vs「大学受験の公平さだけを考える」という構図になるかと思います。反対派の方は、おそらく大学受験を通して「日本の教育の未来を考える」ということが「わからない」でしょうし、賛成派である私などは、「日本の教育の未来」を視野に入れないような大学受験のあり方が「わからない」気がします。


結局、私も含めて、みな、お互い、「わからない人にはわからない」なのです。


逆説的な言い回しになりますが、人間同士が、真にお互いを認め合って、少しでも相手のことをわかろうとするなら、「わからない人にはわからない」という「あきらめ」から出発するのがいいと思います。それは少々苦しい作業ですが、そこからしか「真の理解」は出発しえないと思っております。


ちょっと今日は、堅い言い回しになりました。やわらかく言えないというのは、文才がないということですね(笑)。お許しください。


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