仙台でがんばる「フリースクール コルネット」代表の新川です。

前号で中学時代に「いじめ」を受けていたと書きました。高校時代は幸い、「いじめ」というほどのものは受けず、せいぜい「嫌がらせ」程度でした。たとえば、後ろの席の人が私のことを嫌っているらしく、授業中に私にだけわかるように小声で悪口を言ってきたとか。中学時代よりははるかにましだったので、なんとか耐えられました。ちなみに、この後ろの席の人は、一流私立大学に合格しましたので、学歴と人格はあまり関係ないと、このとき悟りました(笑)

 では、高校時代は楽しかったのかというと、正直言って楽しくはありませんでした。それは、主に私自身に原因がありました。

 高校に入学して最初に行われた定期試験の成績があまりに悪く、考査が終わった次の日から猛勉強をはじめました。極力あいている時間は勉強に費やそうと思い、一日平均4時間勉強するようにしていました。(そのくらいたいしたことないという人もいるでしょうが、怠け者の私にとっては猛勉強でした。)そのおかげで、成績は結構上がり、1年生の終わり頃にはまあまあの成績を収めるようになりました。

 しかし、無理をしすぎたのがたたったのでしょう。高2の5月だったか6月だったか、ある朝、突然「ふとんからでるのが怖い。学校に行くのが怖い」という感情におそわれました。直接のきっかけは正直言ってわかりません。その日は8時くらいまでふとんにもぐり、その後なんとかふとんから飛び出し、遅刻ギリギリで登校しました。

 実は、私は高校時代、寮生活でして、学校と寮が直結していたものですから、たった1分で登校できました(笑)。それが幸いして、不登校にはならずにすみました。しかし、朝6時に目が覚めて、そこから2時間くらい「ふとんからでるのが怖い。学校に行くのが怖い」という感情にとらわれ、遅刻ギリギリでようやくふとんから飛び出すという生活は、1か月くらい続きました。学校に行くと、日常に流されているうちに、少しは楽になるのですが、朝になるとまた同じ苦しみは続きました。

 1か月とちょっとたって、だんだん朝の苦しみは減りました。ギリギリのところで、生活習慣を壊さなかったことが、効果的だったのだと思います。

 今にして思えば、軽いノイローゼみたいなものになっていたのだと思います。若い人には、「プチうつ」といった方がわかりやすいのでしょうか? まあ、医者でない私には、なんともわかりませんが、とにかく中学、高校はあまりいい思い出がないというのが、本当のところです。

 現在、こうしてフリースクールを開いていますが、その原点はこういうところにあったのかなという気がします。私は長らく公立高校の教員をしていましたので、「高校は楽しい」という生徒さんをたくさん見てきました。しかし、それをうれしく思う一方で、私には「なぜ学校が楽しいのだろう」という思いが、心のどこかにありました。その思いが、フリースクールへとつながったのだと思います。当スクールへ来てくださる生徒さんには、ぜひ自分のペースで、ゆっくりと一歩ずつ進んでほしいと思います。人間、多少の無理は必要ですが、無理をしすぎると壊れます。高校のペースに合わせるのが大変だという人は、通信制の高校や当スクールのようなところで、「自分」を大切にしながら、「自分」にしかできない進み方をしてほしいと思っております。

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