フリースクール コルネット、仙台でがんばっております。


不登校についての相談で、以前、こういうのがありました。お母さんからの電話相談です。


中学生の子どもさんが不登校になった。お母さんが理由を聞いてみると、1年近く、ある子からのいじめを受けていたとのこと。ずっとがまんしてきたが、もう耐えられなくなって、「学校に行きたくない」となったとのことです。


お母さんは、中学校の担任の先生に相談したところ、いじめていた子との席を離すということで、決着がついたとのことです。もともと席が近かったことにより、いじめを受けやすくなっていたとのことでした。


私は、しばらくお母さんの話をうかがった後、ある疑問を口にしました。「担任の先生は、その子がいじめている事実を、きちんと確認していますか。そして、事実だと確認できたら、いじめをしなくなるような指導をしたのでしょうか。」この当たり前の疑問を2、3回口にしたのですが、どうも確認したり指導したりした事実があるようには、聞き取れませんでした。


これって、どうなんでしょう?


電話相談でしたから、細かいニュアンスまでは聞き取れなかったので、こちらが把握できていない部分はあると思います。しかし、仮に、いじめのせいで不登校になっている生徒さんがいるのに、「席を離す」で終わり? これはちょっと考えられません。


「席を離す」というのは、対症療法です。それは確かに必要なことです。しかし、それで事足れりとなるはずがありません。病気になって膿(うみ)が出てきたら、その膿をなんとかすることは必要でしょう。しかし、膿の元となる病巣を治療しなかったら、どうにもなりません。


邪推ならば申し訳ないのですが、いまの学校はどうも「形づくり」ばかりやっているような気がします。


昔よりも、その傾向が強まっている気がします。


いまは「コンプライアンス」ということが、厳しく言われる世の中です。何かあるとすぐにやり玉にあげられる学校の先生方が、「形づくり」に走って「防御」しようとする気持ちは、元教員である私にもわかります。


しかし、そのままではいけないと思います。


外側の形ばかりを作るのではなく、内側に踏み込んで、できるだけ根本的に解決した方がいいと思います。


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