フリースクール コルネット、仙台で教育に燃えています。
またまた高校の教員だったころの話で恐縮です。四半世紀勤めましたので、数多くの保護者の方と接してきました。すばらしい保護者の方もたくさんいらっしゃいましたが、残念な保護者の方もいらっしゃいました。
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①ある生徒さんの保護者の方が、学校に電話をしてきました。「今日、うちの息子は、ちゃんと登校していますか」「ええ、来てますよ」。最初はずいぶん教育熱心な方だと思いましたが、実は違いました。とにかく、息子には高校に行ってほしい、それしかない方でした。息子さんが学校でどんな学びをするのか、何を考え何を悟って生きていくのか、どんな気持ちで高校生活を送っているのか、などはどうでもよく、ただ高校に行っていればいい、と考えている方でしかありませんでした。
②ある生徒さんの父親は、子どもに付きっきりで勉強を教えていました。それは、自分が高卒で出世できなかったことにコンプレックスを抱いていたからで、息子には大学へ行かせたいと思ってのことでした。息子は、父親の訓練の賜物なのか、高校は進学校に入学しました。しかし、高校に入った時点で、勉強する意欲はほとんど失っておりました。
③不登校気味だったある生徒さんですが、三者面談をした際、母親は「気の持ちようよ」の一言で片づけてしまいました。それはそうかもしれませんが、弱っている生徒さんが「気の持ちよう」と言われたって、自分でどうにかできるはずもありません。
④あるゲーム好きの生徒さん。たしかにゲームをやりすぎる傾向があるのですが、父親に強制的にゲームを禁止されてからは、夜中にふとんにもぐって、隠れてゲームをするようになりました。
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すべて事例はケースバイケースですので、一概には言えません。ただ、子どもの内面に寄り添わずに、外側から枠をはめてしまっているところは、共通しているような気がします。「この子はこの子で、私とは違う人格なのだ」と見る視点が欠けているように思います。
もちろん、子どもが人倫にもとる行いをしている場合は、話が別です。しかし、もっと子どもの内面を「子どもの内側から」理解しようとする努力は、あってもよかったのではないかと思います。
教育書も育児書も心理学書も生き方の本も、世の中にはごまんとあります。そういった本を読んで勉強すれば、少しはやわらかく考えることができるようになるのに、とも思います。
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