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新聞広告を見て、上月英樹『精神科医がよくつかっている 治癒することば』(さくら舎)という本を取り寄せました。電子書籍にはなっていなかったので、紙の本です。この本は「ぐいぐい引き込まれる」というタイプの本ではなく、むしろ「なんとなくじわじわと染み入ってくる」というタイプの本です。


まず、本書を開いてすぐに思ったことは、「あれっ、この本、普通の名言集か?」ということです。私は催眠療法で使うような潜在意識に入っていく「ことば」をイメージしていたのですが、そういう短い言葉ではありませんでした。最初に出てきたのは、しょこたん=タレントの中川翔子さんの言葉でした。


「この本は名言集か。だとしたら、タイトルのつけ方がいいよな。『精神科医が』ってところで、特別な効能を期待してしまうものなあ」と思い、正直ちょっと失敗したと思いました。でも、「しょこたん」の言葉がよかったので、読み進めました(笑)


そんな経緯なのに、読んでいくうちに、少しずつ少しずつ引き込まれていきました。というのは、その名言の解説が、普通の名言集のような「通り一遍」ではなく、やはり「精神科医」っぽいのです。いじめやDVに触れたり、認知行動療法に触れたり、自分の診療に置き換えて考えたり、うつや解離症状に触れたり……。形だけ見ればただの名言集なのに、解説の中身がぜんぜん違うのです。これは「やられた」と思いました。不思議な本だなあと思いました。


特に目をひいたのが、鳳蘭さんの言葉につけた、著者の解説でした。愛しあっている人同士でも、ずっと一緒にいるのは至難の業、という趣旨でした。さらに、その解説の中で作家の五木寛之さんの話まで引用しています。五木さんの孫に対する思いを述べた言葉です。


「すごくかわいいけど、一緒にいるのは40分が限度」


これ、すごくわかります。私も、ずっと人と一緒にいるのがつらいタイプです。一人になりたがるタイプです。ときどき、人と一緒にいないとさびしいくせに、ずっと一緒だとグッタリしてしまう。そういう傾向の強い人間です。


学校が合わない人の中には、私と同じように、「人とずっと一緒にいるのが苦手」という人がいると思います。そういう人は、とりあえず「自分は人と一緒にいるのが苦手なんだ」ということを自覚する必要があります。残念ながら、世の中には、そういう感性の人を理解できない人がいます。そのことも知っておくべきです。そのうえで、「一人になる時間」を確保できるよう努めるといいと思います。

※1/25(土)に不登校に関する無料相談会を実施します。要予約です。お急ぎください。
https://peraichi.com/landing_pages/view/soudan201912

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