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「秋保おはぎ」というのがあります。仙台市の秋保町にある「主婦の店・さいち」というスーパーで売っているものです。これは「おいしい」とすごく評判で、大人気の商品です。私も一度食べたことがありますが、ひじょうに上品な昔ながらのおはぎだなあと思いました。この「主婦の店・さいち」はお惣菜もすごくおいしくて評判なのだそうです。


この「さいち」の社長・佐藤啓二さんが書いた『売れ続ける理由』(ダイヤモンド社)という本、私は5回以上読みましたが、最初のころは、涙なしには読めませんでした。以下、〈 〉の部分は、引用です。



〈どんなに原材料が上がっても、不景気で地元のお客様の収入が増えないうちは値上げしないというのが、さいちの鉄則〉。店側の徹底した努力で、売れ残りや廃棄をほとんどゼロに近づけ利益を出し、値上げをしない。ひじょうにお客様思いの店です。


〈心をこめてものをつくる姿勢、心をこめてそれを売る姿勢を徹底する〉。商売の王道、商売の原点を貫き通しています。


〈おはぎのあんのつくり方をお教えした老舗の和菓子屋さんや菓子メーカーさんもいくつもあります。ただ、原材料の仕入も手間のかけ方も違うので、うちと同じものをつくれているところはまだありません〉いかに仕事の手を抜かずにやっているかが、わかります。


社長と専務(社長の奥様)は、ずっと睡眠時間を削って、激務をこなしているそうです。社長は開店から5、6年は事務所にベニヤ板を敷いて寝ていたというし、専務は夜中の1時半に起きて調理場に入るので、毎日4時間くらいしか寝ていないといいます。いまは店の2階を自宅にし、月2回の休みも修理やメンテナンスなどで休めず、結局、管理人として年中無休で24時間体制で働いているようなものらしいです。でも、社長はこう言い放ちます。


〈うちは夫婦揃って「生涯現役、定年は死ぬとき」と決めています。結局、働くのが好きなのです。〉



私は最近、この本のことを、秋保おはぎのことを、「さいち」のことを思い出しました。そして、起業してからの私は、「なんと思い上がっていたのだろう」と思いました。私は「ラクをして稼ぎたい」とどこかで思っていました。言いかえれば、「働く時間を減らして稼ぎたい」と思っていました。


しかし、「少なくともいまの私に限っては」、それは間違いだと気づきました。私は教育、特に授業をするのが好きです。それ以外に好きなことは、読書、吹奏楽、合唱、そして特撮ヒーロー番組を見ること(笑)くらいしかありません。旅行も好きではありません。ディズニーランドに行きたいとも思いません。だったら、睡眠とメシと風呂以外のほとんどは、授業をやっていればいいのです。吹奏楽と合唱の練習時間は確保し、ちょっと時間のあるときに読書をする。それ以外は、全部「授業」をやればいいのです。それなのに、「働く時間を減らして稼ぎたい」などと勘違いをしてしまった。私にとって、授業はただの仕事ではなく「趣味」なのですから、ずっと「授業」をやっていればいいのだ、ということに、ようやく気がつきました。


今後のスケジュールは、吹奏楽や合唱の時間はきちんと確保したうえで、原則として、朝から晩まで授業をするようにしたいと思います。もちろん、出張や研修もありますし、私用が入ってくることもありますが、それ以外の時間はずっと授業をしていられるよう、当面やっていきたいと思います。


追伸 もちろん、「働く時間を減らして稼ぎたい」方を否定するわけではありません。「いまの自分にとって」は間違いだと思っているだけです。まして、旅行やディズニーランドを否定しているわけではまったくありません(笑)

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